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未婚化と少子化の関係性


統計用語というのは、

なんとなく分かった気でいると、

本来の意味とは少し違った意味で理解していることがあるので、

ここで少しまとめておこうと思います。

まず、

【未婚】という言葉の意味ですが、

結婚していない状態「独身」とは意味が違います。

【未婚】とは、

「結婚したことがない」ことを意味します。

【未婚者】とは「結婚経験がない人」です。

つまり、離婚や死別によって「独身」状態の人には適用されません。

2015年の国勢調査での生涯未婚率の統計値は、

男性で1番高く、女性は5番目に高い数値になりました。

【生涯未婚率】とは、50歳以上の未婚者の率となります。

続いて、

【出生率】とは、

正式には、「合計特殊出生率」のことを指し、

「1人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均値」を言います。

もう少し噛み砕いて言えば、

15歳〜49歳の未婚・既婚など問わず、すべての女性の数(母数)に対しての、

対象年齢の女性が産んだ子どもの割合となります。

沖縄県の出生率は、2017年現在で43年連続で全国1位キープしています。

未婚率と出生率から推測するに、

未婚率が高いわけですから、

全国的に出産に関わる可能性のある沖縄の女性は少ない。

そして、

出生率に関して言えば、全国的に常に1位なので、

子どもが生まれる割合は高いということになります。

結果、出産に関わる女性が少ないのにも関わらず、生まれてくる子どもの数が多いということは、

一度、出産経験のある女性がたくさん子どもを産んでいると推測されます。

つまり、沖縄は子沢山のイメージ通り、

子どものいる家庭については、兄弟が多い可能性が高いということです。

子どものいない夫婦、子どもを望まない夫婦もいますし、

結婚せずに、つまり入籍せずに出産する人もいなくはないでしょうから、

子どもを産む女性が沖縄の出生率に多大に貢献していることになります。

今までの統計調査が行われて、

全国の出生率が一番高かったのは、1947年(昭和22年)の4.54で、

最も低かったのは、2005年(平成17年)の1.26となります。

ちなみに、2016年の結果は、1.44です。

出生率としては1.26に比べて高いですが、

出生可能な女性の人口が減少していることもあり、

出生数は97万6979人となり、

初めて100万人を下回る最小値になりました。

沖縄の出生率を支えているのは、

あくまでも子沢山なお母さんの多大なる貢献があると言えます。

未婚率と聞くと、独身の割合かと思っていたり、

出生率と聞くと、1人のお母さんが産む子どもの割合のように感じている人もいるかもしれません。

しかしながら、出産可能な女性とされる15〜49歳の女性の人口に対する出生数の割合なので、

未婚化と少子化は関係ないとは言えないのです。

もちろん、結婚すれば子どもを産むわけではありませんし、

少子化が社会課題だからといって、子どもを産まなければいけないなんて話をするつもりはありませんが、

もし、結婚したい人がいて、子どもが欲しい人がいるのにも関わらず、

未婚化、少子化が進んでいるのであれば、

それは、大切な機会を失っているとは言えないでしょうか。

最後になりますが、

これは、未婚であることを責める気も、

子どもを産まないと選択した夫婦を責める気もありません。

正しく知る、その上で、どういった行動をとるかが重要だと考えています。

そして、その判断は、誰かにとやかく言われるいわれはないと考えています。


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