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【不自然】の婚活心理


いまだに信じられている「婚活の不自然さ」

「婚活=不自然、不自然な出会い」という感覚がいまだに社会常識として抜けないように思う。

一緒にするなと言われるかもしれないけれど、

「就活」や「受験」などは不自然な活動かどうかを比べてみて、

もう一度再考して欲しい。

「受験」と「婚活」は、僕としてはとりわけ比べやすい。

まず、しなくても良いものである。

進学が就職かという話になるが、

生きていくために必要なものは就職か、

もしくは、就職しなくてもお金を稼ぐ方法は考えないといけない。

就職に有利だとしても、進学はしなくても就職の時に困る可能性があるだけで、

進学はしなければいけないものではないので「受験」はしなくても良いものである。

婚活だって、

「結婚はしなければいけない」というのは前時代的なもので、

徐々に化石化しつつある考え方なので、

「受験」同様に「婚活」はしなくも良いものである。

 

受験のための受験勉強は不自然ではない

一昔前は、家業を継ぐのが普通で、

サラリーマンという形でどこかに雇用されるわけではなかったから、

学歴はそれほど関係なかったので、

そもそも受験なんてものはしなくても良かった。

つまり、進学するくらいなら、早めに家業の仕方を覚えた方が良かったわけだ。

高度経済成長とともに、

多くの人が雇用される環境が整いはじめると、

より良い企業、より給料の高い職業につくために、

「高学歴」の称号が必要になってきた。

ということで、

「受験戦争」なんて言葉が生まれることになる。

本来ならば、

実力がある子どもがそれに見合った教育を受ければ良かったのだけれど、

「職業選択の自由」と「雇用化」が進んだ結果、

受験はともかく、不自然であった「受験勉強」が自然になっていく。

 

婚活を受験に当てはめてみる

受験自体は、その学校に見合う学力にあるかどうか審査するものなので、

受験については、学校としては必要とするものだ。

しかし、受験勉強に関しては、各個人が行うものであって、

受け入れ側の学校としては、してくれようがしてくれまいが構わない。

なぜ、受験勉強が必要になったのかといえば、

進学が自分の学力に見合った学校へ行くという結果ではなく、

より偏差値の高い学校に行くことで「高学歴」を手に入れるという目的になったからだ。

しかし、塾に通うことや有名進学校に通うことは不自然とか、ガツガツしているとか言わない。

どちらかというと、「頑張っているね」「すごいね」ということになる。

さて、婚活を話をしよう。

受験、正確にいうと受験勉強と婚活は似ているのである。

自分に見合ったちょうどいい人がいたので結婚するという結果的な結婚が恋愛結婚である。

つまり、それほど結婚のために努力はしていないけれど、

ちょうどいい人がいたので結婚しましたというのが、

恋愛結婚をした人の正直な意見じゃないかなと思う。

婚活とは、受験で言えば、塾に通ったり有名進学校に入ったりと、

しなくてもいいのに、「高学歴」を手に入れるために受験勉強しているようなものなのである。

つまり、結婚が目的となって、

その目的達成のために努力しているにすぎない。

受験勉強であれば、

「頑張っているね」「すごいね」

と言われるところが、

婚活になると、

「不自然」とか「ガツガツしている」とかになるのはどうも釈然としない。

 

婚活と受験勉強は何が違うのか

婚活は不自然で、受験勉強は自然であるとするならば、

その差は何なのか。

単純明快の問いである。

【みんながしているかどうか】くらいの違いしかない。

みんなが当たり前にしているから、受験勉強は自然なことで、

まだまだ婚活をしている人が少ないと感じるから不自然なことに感じる。

また、婚活を経験していない既婚者からすれば、

結果的に結婚できただけなのにも関わらず、

何も努力せずに結婚できると勘違いしてしまっていることも大きな問題だと感じる。

正直、自分自身も婚活自体に抵抗感はなかったが、

なんとなく結婚できたので、

なんとなく結婚できるものだと思っていたが、

なんとなく結婚できるなんてのは夢物語のようなものだというのは、

婚活支援の側に携わってみてようやく分かった。

恋愛結婚に努力が不要とは言わないが、

結果的に結婚できることと、

結婚を目的として婚活して結婚することには大きな差が生まれる。

なんとなく高学歴を手に入れられれば、楽だけれど、

将来のことを考えて、受験勉強をやって、

自分の学力を底上げして、より良い学校に進学してきた人なら、

結果的な高学歴と、高学歴が目的だとは天と地の差があるのが分かるだろう。

クラスで勉強をしている素振りもなく、

いつも学内順位がトップクラスの同級生と比べて、

なぜ、自分はこんなに勉強しているのにと思っただろうし、

学内成績や通知表を見て一喜一憂したのも、

そして、受験勉強してより良い学校に入ろうと目指したのも、

多くの人に経験のあることだと思うし、

それが不自然なことだと言って放棄した人は少ないと思う。

「高学歴」という称号が、

きっと就職を有利にしてくれると信じていたに違いないが、

就職超氷河期、就職氷河期の世代からしてみれば、

「高学歴」でも自分の希望の就職先につけるか分からないのに、

「努力すれば報われないはずはない」という思いで、

「学歴はないよりあった方がまし」程度でも、

不自然な努力を続けているわけである。

 

婚活は「不自然、不自然な出会い」と言う論争がもう古い

何度も持論して述べているが、

恋愛結婚はあくまでも、結果的結婚である。

婚活は、目的的結婚である。

この程度の違いしかないと思っている。

「結婚を目的とするのはおかしい」

という人もいるかもしれないが、

そんなこと知ったこっちゃないのだ。

何を目的にしようと、それは個人の自由だから、口出し無用なのだ。

「結婚を目的とするのはおかしい」

という人がいるのであれば、こう言い返そう、

「高学歴を目的とするのはおかしい。」と。

高学歴を目的とすることはおかしいとは思わないけれど、

結婚を目的とするのがおかしいと言うくらいなのであれば、

高学歴を目的としようがしまいがそれは自由なはずだ。

目的を決めて、何かに向けて努力することが誰だったやっている。

例えば、

痩せることや健康を目的としてダイエットする。

容姿を綺麗にするためにエステに通う。

旅行やライブへ出かけるために仕事をしてお金を貯める。

どれもが否定されるべきものでもないし、

「不自然」だと言う言葉で片付けるべきものではないと思っている。

「婚活」だって同じなのだ。

もう「婚活=不自然、不自然な出会い」と言う常識は非常識極まりないのである。


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