結婚できない日本死ね
- 婚活先生
- 2017年5月7日
- 読了時間: 10分

【保育園落ちた日本死ね】が2016年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にトップ10入りを果たして、物議を醸しました。
二番煎じがうまくいくわけがないと思いつつ、
婚活支援に携わっていると、
「結婚できない日本死ね」や、
「結婚したくない日本死ね」なんて言葉が聞こえてくるわけじゃないですが、
未婚率の上昇の要因だと言われているものと、
「結婚できない」「結婚したくない」というのは社会課題が生み出したものだと言っても、
過剰とは言えないところが来ているように思います。
さて、今、この未婚率上昇の最中で婚活している人たちってどんな世代なのでしょうか?
だいたい30代から婚活する人が多く、
未婚率も35歳を超えると微減していきます。
つまり、35歳以上の人は、
「結婚しにくい状態にある」もしくは「結婚しない選択をした」とも考えられます。
ちなみに、沖縄の50歳以上の未婚率は26%程度なので、
沖縄の人口はそもそも未婚傾向があるけれど、
既婚、もしくは既婚経験のある女性の出生率に支えられています。
出生率(一般的に「合計特殊出生率を指す)とは、
「女性が出産可能な年齢を15歳から49歳までと規定し、
それぞれの出生率を出し、足し合わせることで、人口構成の偏りを排除し、
一人の女性が一生に産む子供の数の平均を求める(合計特殊出生率:ウィキペディア)」となっています。
未婚率が高く、出生率が高いというのは、
お母さんになった人が産む子どもの数が多いということを意味します。
さて、少し若めに見積もって、2015年の時点で30歳くらいから婚活をはじめると考えると、
計算しやすいように仮に1965年〜1985年生まれを想定します。
1984年にバブル経済が泡沫に消え、
就職超氷河期がはじまりました。
その時に、20歳前後だったのが1965年生まれである2015年現在の45歳です。
なんということでしょうか、
その時に就活が大々的に騒がれて、
内定をもらえない若者、そう正規採用をしてもらえない若者が増加したのです。
それからはじまるのがロストジェネレーションです。
1985年に生まれた子どもは、バブルも知らず、ジュリアナ東京も知らず、平野ノラが新鮮だから面白いのです。
日本の高度経済成長期には、
男性は正規雇用で採用され、終身雇用制で一生守ってもらえると思い一生懸命に働き、
「専業主婦」という言葉も生まれ、
「男は仕事、女は家庭」が言葉通りの時代でした。
バブル経済以降は、「リストラ」という言葉で、終身雇用制度は崩壊し、
企業よりも給料が安くても安全な公務員が人気になるものの、
結局は狭き門で、非正規雇用で働くか、
自分の希望とは違う仕事でも良いから、どこかで採用してもらうことの優先順位が高まります。
1965年以降の人たちというのは、
就職氷河期を乗り越えながら、
企業から内定をもらえるように足を棒にして就活して、
企業に貢献して来た人たちです。
そして、それとほぼ同時期に、男女雇用均等や女性の雇用促進も推進されはじめます。
男女ともに働ける社会の実現が促進されていきました。
男性だけではなく、女性も仕事を持つようになり、
それ自体は良いことですが、
仕事だけしていれば良かった男性は、イクメン・家事メンとして家事・育児に参画し、
女性は仕事と家事をこなしつつ、
不妊症も注目を集め、男女ともにではあっても女性を中心に妊活を行う。
そして、子どもを妊娠・出産したのちに、
マタハラにあったり、保活をしたりと、
就活・婚活・妊活・保活と、何かしらの活動のオンパレードの世代とも言える。
そして、今まさに、婚活をはじめているのがその世代でもあり、
何かを得るために、何らかの活動をしてこなければいけなかった世代とも言える。
恋人がいるのにも関わらず、結婚できない理由として一番にあげられるのが、「経済的理由」です。
「男は仕事、女は家庭」という考えが徐々に古臭くなってはいるものの、
まだまだ若者の脳裏に焼きつき、
男性の経済力を気にする女性は少なくはないですし、
経済力のない男性も女性にアプローチするのに際して躊躇する要因になっているように感じています。
また、先行き不安な将来に対する心配もあるでしょう。
男性には少なからず、一家の大黒柱として責任がある。
男性の育休取得率や、女性が出産を期に離職することを考えれば、
いつか自分が家計を支えていかないといけないのだろうなぁと不安にもなるでしょう。
女性だって同じです。
せっかく好きな仕事に就いても、
子どもが欲しいと思えば、
それこそ「保育園落ちた日本死ね」の待機児童が問題になっている時代に、
妊娠・出産、保活で仕事に戻れるかも分からない。
国は仕事に戻ることが完全に保証してくれているわけではない。
こうすると、
お互いに責任を持たなくても良い事実婚を考えたり、
子どもを授かることはせず、結婚するものの夫婦のみの世帯も現れる。
結婚したいと思っているにも関わらず、結婚したい人たちはどうかといえば、
高学歴であれば、良い企業に入れると信じて勉強してきて、
恋愛は経済的に安定してからでいいと思っていれば、就職超氷河期・氷河期にぶち当たり、
学歴は神話となる。
そして、就活の末、ようやく手に入れた仕事に没頭する。
これは、女性も同様と言える。
この頃、
「社会に出たことのない専業主婦」「永久就職」という言葉は、
仕事に就けない女性を蔑むように使われていたようにも思う。
さて、仕事をしても、大きな企業ばかりでもない。
不景気で同世代の異性がたくさん入ってくるわけでもない。
社内恋愛禁止の会社もあったけれど、最近では聞かないのは、
未婚化の影響なのか、そもそも社内恋愛なんて昔の話なのか。
とまぁ、婚活をはじめる人からは、
「あの時は、仕事が優先で、恋愛や結婚は二の次だった。」
という声をよく耳にする。
そうだろう、まずは、お金を稼いで生活していかなければいけない。
せっかく就職できた職場の仕事を覚えて、仕事に集中しようというのは最もなことである。
「いずれは結婚するつもり」と答える若者は、いつだって9割程度いる。
しかし、ブラック企業がようやく騒がれるようになったものの、
今にはじまったことではなく、
仕事と家の往復しかできなかった人たちのどこに出会いの機会があったのだろうか。
「いずれは結婚するつもり」とは、
「いずれ【いい人】がいれば、結婚するつもり」なのだから、
出会うこともなく、恋愛する余裕もなければ、
いずれは、いつかになり、いつかはいつまでもやってこない。
「超ソロ社会「独身大国・日本」の衝撃 著者:荒川和久」という衝撃的な本が出た。
この荒川和久さんは「結婚しない」を選択し、それを発信している。
結婚する・しないを否定はしないが、
死別や離別でソロ(独身)になることはあるのだから、
結婚して相手に依存せず、強いソロになることを勧めたり、
結婚したとしても、強いソロにならなければいけないと警鐘を鳴らしている。
この本に出てくるものこそ、
「結婚したくない日本死ね」に近いように思う。
「日本死ね」まではいかないにしても、
好景気でもなく、一人の稼ぎじゃ厳しそうで、
出会いの機会も仕事に奪われ、
結婚してもメリットらしいものもなく、
子どものことを考えると、
女性は仕事の進退を考えなけれならない。
待機児童が溢れる時代に育休中に保活しなければならず、
しかも、女性はほぼもれなく、家事と育児がセットでついてきます。
女性が活躍できる社会はどこにあるのだろうか。
仕事だけしていれば良かったと思っていた男性は、
結婚することで仕事に専念できるかと思えば、
結果的に、家事・育児に参加することになるかもしれない。
結婚しない理由なんて馬鹿らしいくらいに出てくる。
「<40男>はなぜ嫌われるのか 著作:田中俊之」には、
こんな悲哀に満ちた40男(1970〜1980年生まれの男性)の価値観が書かれている。

耳を塞ぎたくなる事実である。
経済回復の兆しもないし、社会は「結婚できない」「結婚したくない」時代に突入するとなると、
これこそ、就職難ならず、結婚難の時代の到来を予期しても致し方ないのではないか。
もちろん、結婚を望まない理由は、社会問題に限ったことではない。
育った家庭がよくなかったので、家庭を持ちたくないとか、良い家庭を築ける自信が持てないという人もいるだろう。
結婚すれば、子どもを授かる可能性だってあるから、
虐待を受けた子どもを親になって虐待をすると語るコメンテーターがいれば、
それを真に受けて、なんの罪もない虐待を受けた子どもたちは結婚を望まないかもしれない。
また、貧困の連鎖と言われている。
貧困家庭で育った子どもは、貧困のループに入ると言われている。
そう考えれば、結婚しても子どもを持ちたいとは思わないだろう。
結婚すれば、子どもの可能性は否定できない以上、結婚を選ばないかもしれない。
社会不安が「結婚できない」「結婚したくない」を生み出していると考える。
日本死ねとは本気では考えないが、社会問題と未婚率になんの関係もないとは言えないはずだ。
そうだ、婚活をはじめよう!
と、言いたいところだが、
ここにだって社会問題の影響がないわけではない。
婚活をするには、お金がかかる、時間がかかる。
結婚相談所に入るにしたって、
入会金20万、30万というところだって少なくはない。
初期費用とか、月会費とか、
この人だとお互いに思えるまで出会い続けなければならない。
成果が出ずに、出費を重ねることだってある。
経済力のある人は、そういった婚活をすればよい。
そうすれば、そこそこ経済力の高い人と出会えるのだから、少しは安心だろう。
つまり、婚活して、【いい人】と出会うにもお金のかかる時代なのである。
そして、女性が男性に希望する年収で一番多いのが年収400万以上である。
もちろん、女性的に控えめに言っているつもりでも、
そこそこ入会金の高い結婚相談所で探すしかない。
しかし、女性に経済力がなければ、そのステージにすら上がれないのだ。
つまり、お金がなければ、婚活すらできない。
お金のない人はどうするか。
友達に紹介してもらう。
合コンパーティーに行ってみる。
つまり、安く異性に出会える場に出向いて、
肉食系になって狩りをするしかないのだ。
人によっては、意中の異性がいたとしても声をかけられず、
ただただ終了時間まで過ごすことになる。
最後は、NPO法人婚活もーるの宣伝のようになってしまうが、
婚活もーるの入会金は、男性18000円 女性15,000円(2017/05現在)と、相場の15〜20分の一程度で、
月会費や出会いのイベントに料金は発生するものの、
担当の仲人さんが成婚(お互いに結婚を前提に交際すること)まで丁寧にサポートしてくれる。
入会金が安いので、正直に言えば、
決して、経済力がある人ばかりではないことは言っておきたい。
ただし、沖縄の平均年収から算出すれば、
どこかでナンパすれば出会うといったような、
沖縄の独身者の縮図のような感じだと思ってもらっていいと思う。
結婚したいけれど、そういう人とは結婚するつもりは、
入会金の高い結婚相談所でサポートを受けるのは良いかもしれないが、
僕は、婚活もーる以外のシステムをよく分からないので、
それぞれで調べてもらう必要がある。
もし、【いい人】いたら結婚したいという気持ちがあるのなら、
いきなり結婚を目指さなくても婚活をはじめてほしい。
それは、婚活もーるに限ったことではなく、
婚活イベントにはさまざまなものがあるから、
自分にあったものを選べばいい。
経済力や容姿に自信がなく、いや、そもそも自分自身に自信がなく、
「どうせ、自分に結婚なんか無理だ。」とか、
「貧困家庭で育ったから、【いい人】見つかっても幸せにする自信がない」とか、
「虐待の経験があるか、自分に子どもができたら心配だ」とか、
自分で勝手に白旗をあげてしまう必要はない。
結婚生活も子育ても自分だけでするものではなく、
パートナーとともに築き上げていくものなのだから、
「結婚したい」「結婚してもよい」という気持ちがあれば、
あなたにあった【いい人】をぜひ探してほしい。
結婚してはいけない人なんていないし、
あなたが努力をするのであれば、必ず、その努力を分かってくれる人がいる。
あなたの努力に気がついてくれる人と結婚すれば、
僕はきっと幸せになれるだろうと思う。
前述の荒川和久さん曰く「誰だってソロになる可能性がある。」のは事実だ。
でも、ソロになるまでの間に築き上げた夫婦や家族の思い出は、ソロのままでは残らないのだ。
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