【消費者感覚】の婚活心理
- 婚活先生
- 2017年5月28日
- 読了時間: 7分

婚活さえすれば、すぐに結婚できる
婚活のよくある誤解です。
特に結婚相談所に関しては、費用がかかる分だけ後回しになり、
結婚相談所に駆け込めば、きっと相手を見つけてくれるだろうと思っていたり、
そこまでお世話されるのは恥ずかしいという思いも見え隠れします。
「お金をかけてまで結婚する必要もない。」
と思う人もいるでしょうが、
時代は結婚難の時代に突入し、
出会いや自分磨きの機会を自分でつくるのが難しくなっています。
僕はその一番の理由は仕事の多忙さに尽きるのではないかと考えています。
僕の場合は妻と出会ったのは学生時代で、その時には自由な時間がたくさんありました。
その流れで社会人になるとともに結婚したようなものなので、
働きながら、出会い、恋愛をし、結婚するというプロセスを経ていません。
もし、妻と出会っていなければ、
もともと教員だった僕に出会いの場があったようには思えませんし、
(毎年ある新しい出会いは中学生か、保護者か、同僚)
仕事の合間を縫って婚活をするかというと、
仕事の多忙さに職場と家の往復に終わっていたでしょう。
さらに実家暮らしであれば、家事はしなくて良いわけですから、
仕事で疲れた体に鞭打って婚活するかどうかを考えれば、
【本当の本当の本当に心の底から結婚したい】
と思ってようやく動き出すものではないかなと思います。
その結果、
費用のかからない活動からはじめて、
徐々に可能性であろう費用の高い活動に参加し、
それでも【いい人】が見つからなければ、
きっと結婚相談所の扉を叩くことになるのです。
そこには、
「婚活さえすれば、すぐに結婚できる」という、
婚活の間違った社会的なイメージがあるのです。
運を天に任せる結婚の方が簡単だ
一般的にお金という対価を支払えば、
ものなり、サービスを手に入れることに対して、
長年消費者を行ってきているので慣れているものです。
なので、
婚活というサービスにお金という対価を支払えば、
【いい人】を見繕ってくれんじゃないだろうかという淡い期待が生まれるのです。
これをあえて「消費者感覚」と呼びます。
結婚相手だけを求めるのなら、
婚活サービスはとても単純です。
結婚を希望する会員の会員番号の書かれたくじを、
男女別に分けて、
両方から引き当てた人と結婚してもらえば良いだけです。
つまり、運を天に任せるというやり方です。
ある意味、これこそ運命の出会いなのですから、
本来なら文句の言いようのない手法です。
しかし、
あなたはそれで納得するでしょうか。
おそらく、結婚相手が欲しいのではなく、
あなたの結婚相手としてふさわしい【いい人】を選びたいからです。
それでは、
5人ほどあなたに合いそうな人を仲人が勝手に見繕って、
その中の1人と必ず結婚するというのはどうでしょうか。
少しは選択の余地はあります。
もちろん、あなたの好みの人がいて、気が合えばそれはそれで良いでしょう。
しかし、相手が存在するサービスの場合、
相手の立場になることも大切です。
あなたがプロフィールで提示された5人のうちの1人だとします。
選ばれなかったとしたら、
「結局、容姿や条件しか見ないのか。」
と結婚に対して失望するでしょう。
もし、選ばれたとして喜んで見たものの、
あなたにとって「イマイチな人」だとすれば、
きっとお断りしたくなるはずです。
結婚だけがしたいのであれば、
運任せも一つかもしれませんが、
問題は、それでお互いに納得した上で結婚できるのかということです。
結婚相談所とは釣堀である

僕は結婚相談所を釣堀と表現することがあります。
人を魚に見立てるのは申し訳ないのですが、
僕なりには分かりやすい説明だと思っています。
本来の釣堀の生け簀の中の魚たちは別として、
結婚相談所という釣堀には「結婚を希望する人」が泳いでいるし、
その釣堀に来る人は【いい人】と出会いたいと思って来るのです。
釣堀に入るには基本的に入場料金が必要です。
入場料金を支払って生け簀に釣り糸を垂らすのです。
そして、上手い人はたくさん釣り上げ、
下手な人は坊主(成果なし)で帰っていくこともあります。
現在の結婚相談所はより結婚したい人が集まっていますし、
「結婚しない人」はほぼ来ないと言っても良いでしょう。
費用がかかるということは、線引きにもなるのです。
釣堀に魚を釣る気のない人は入場料金を払ってまで入場しないはずです。
合コン・婚活パーティーの場合は可能性としては低いかもしれませんが、
チェックが甘ければ、不倫や浮気目的の人もいるかもしれませんし、
そもそも「恋愛はしたいけれど、結婚はしたくない。」という人が参加している可能性もあります。
あくまでも確率の話で、
出会いの目的がルーズになればなるほど、いろんな人がいることになります。
合コン・婚活パーティーなどは、積極性が求められて、
自分から声をかけないといけない点においては、
釣堀よりも広い海で釣りをする感覚に似ているように思います。
とても上手な人しか釣り上げられず、
釣り方を知らない人はまったく成果が出ない。
釣り上げて見たものの既婚者や恋人がいたり、結婚に興味のない場合もある。
ここが難しいところだと思っています。
ちなみに、ネット婚活も類似していると考えています。
話を戻して、結婚相談所という釣堀の話ですが、
入会して満足している人がいるように思います。
釣堀という場所にいることで、結婚に近づいているように感じて満足してしまうのです。
誰もが思うはずです。
『釣堀に来て何をしているのだろう?』と。
中には、餌をつけずに釣り糸を垂らしている人から、
釣り上げるものの選べない人もいますし、
魚の方だって、釣り人や餌を選んで釣られようと必死なのです。
唯一の救いは、この釣堀には相談に乗ってくれる人がいることです。
相談さえすれば、餌の付け方、魚の釣り方、魚の選び方を教えてくれたり、
釣り人の選び方なども教えてくれます。
結婚相談所というのはそういう意味では、塾に似ているところもあります。
目的の進学先があって、それに向けて学習する場所です。
目的の進学先があって、塾に入れば合格するものではないことはみなさんご存知だと思います。
婚活というサービスは、
本来は「婚活支援」と呼ばれるべきです。
あくまでもアクションを起こすのは、婚活をしている本人なのです。
前述のように、
婚活さえすれば、誰か【いい人】を見繕ってくれるものではないし、
そういった方法で結婚相手を決められてしまうのは本意ではないのでしょうか。
婚活にかかる費用はあくまでも、
出会いや自分磨きにかける費用であって、
あなたにとっての結婚相手としての【いい人】を引き合わせてくれる場所ではないということです。
だから、
「婚活さえすれば、すぐに結婚できる」というのはお門違いなのです。

コストパフォーマンスを考えてしまう
消費者感覚としては、どうしてもコストパフォーマンスを考えてしまいがちです。
一番簡単な消費者心理としては、
「高ければ質良いサービスが受けられて、安ければ質の悪いサービスだろう」
という心理です。
安かろうが高かろうが、自分に合っているかの方が重要です。
そして、高い場合に意識していしまうのは、
費用に見合った出会いの質です。
『これだけ支払ったのだから、これだけの見返りがあるべき』
という心理は長年消費者をやって来た感覚としては当たり前ですし、
できれば、
『できるだけ費用を抑えて、質の良いものを買いたい、質の良いサービスを受けたい』
と感じるのは当然です。
しかし、婚活支援は釣堀や塾のように、
その場所や機会を提供するものなので、
コストに対してのパフォーマンスは、
基本的には「どれだけの人と出会える」かが重要であると考えています。
もちろん【いい人】と出会えれば良いのですが、
人はものではありませんので、ショッピングするように【いい人】を選べるわけではないのです。
結婚相談所は結婚相談所であって、
結婚相手斡旋所ではないということであり、
人をモノとして扱っていないということです。
高い費用がかかったのだから【よりいい人】に出会いたいと思うと、
婚活迷宮に迷い込みはじめます。
「より」というのはどこまでどこまでも続くのです。
ただ魚が欲しければ魚屋にいけば良いのですが、
結婚相談所という釣堀には魚売っていないのですし、
魚が欲しいだけなら、わざわざ釣堀に行く人はいないのです。
希望の進学先に進みたいければ、塾に通って学力を上げる必要があります。
学力が足らないからといって、塾が裏口入学を斡旋してくれるわけでありません。
大事なことは結婚相談所が、
対価を支払えば、結婚相手がモノのように手に入る場所ではなく、
あくまでも自分の努力と決断が成果を生み出す場所だということです。
何度も言いますが、
だからこそ「婚活さえすれば、すぐに結婚できる」わけではないので、
ライフプランの中に「結婚の意識」があるのであれば、
早めの行動をオススメしているのです。
Comments