「婚活」は今にはじまったことではない。
- 婚活先生
- 2017年11月4日
- 読了時間: 4分

「婚活」という言葉が提唱されてから、それほど歴史はありませんが、
「婚活」っていうのは今にはじまったことではないんですよね。
結婚相談所は明治13年ごろに、山口吉兵衛氏が本格的に開いたとされているようです。
西暦で言えば、1880年のことですから、
結婚支援のサービスは、すでに140年ほどの歴史があるようです。
婚活と聞けば、「お見合い」が連想されるでしょうから、
一般庶民は置いておいても、
家柄の格式が重んじられる時代には、
許嫁制度などもあり、
いわゆる、家同士の結婚もあったわけです。
このブログでも取り上げることがありますが、
モテない男が美女と結婚を果たすという、
当時のトレンディードラマには独特な設定で話題を呼んだ、
「101回目のプロポーズ」が放送されたのは、1991年のことですから、
30年弱ほど前の話ですが、
武田鉄矢さん演じる結婚したい星野達郎(42)は、
99回お見合いをしてもお断りされるという設定でした。
男性で98%、女性で96%以上の人が結婚経験があった1970年の皆婚時代を支えたものは、
周りからのお見合いを進めるお節介があったと言っても過言ではないでしょう。
社会の感覚が今とも異なっていて、
「男性も結婚して一人前、女性は家庭に入って一人前」
そう言った感覚が、
「自分の子どもが結婚していないなんて恥ずかしい。」
という時代でもありましたから、
結婚したくて結婚した人から、
結婚させられた人もいたことでしょう。
皆婚時代が特殊な時代だったとはいえ、
現在の男性の生涯未婚率が25%なので、
1.7%だったわけですから、この45年でだいぶ様変わりしたと言えます。
もちろん、バブル経済が崩壊したり、その後も「不景気」という将来を不安になるような社会状態が続いたりと、
結婚や子育てに踏み切るのは勇気がいる時代になったり、
「男は仕事、女は家庭」のジェンダー差別が解消されはじめ、
まだまだ女性が活躍しやすい社会とは言えませんが、
女性が当たり前のように大学へ進学し、一旦社会に出ることが常識の時代へ突入しているようには感じます。
「社会を知らない主婦」という言葉が氾濫した時期もあったように思うので、
「専業主婦になるにしても、一度は社会を知っておくべき。」と言ったような価値観が生まれてきたようにも思います。
一昔前は、女性は家庭に入るのだから、高学歴でなくても良いと言った考え方も耳にしましたが、
最近は、自立した女性であるように、大学進学も選択の幅として広がってきています。
さて、話は少し変わって、サザエさんの設定ですが、
サザエさんとマスオさんは、お見合い結婚です。
アニメの設定では、サザエさんは24歳、マスオさんは28歳で、
息子であるタラちゃんが3歳なので、
サザエさんは短大を卒業してすぐにお見合いして結婚したような流れになると思われます。
サザエさんの連載開始は、1946年ですが、
サザエさんとマスオさんの結婚が描かれたのは1951年ごろです。
皆婚時代が1970年ですから、
その20年前では、女性は学校を卒業したら、次は社会に出ることではなく、
結婚について考えるというのが一般的だったのかもしれません。
近頃、「永久就職」という言葉を使うと、
若者にぽかんとされます。
「永久就職=結婚」でしたが、
どうやら、就活が当たり前の時代において、
「永久就職」という言葉は死語のようです。
社会は変化し続け、個々の価値観も代わり、
それを受け止める社会もまた変化しと、
結婚しない自由も認められるようになってきた今だからこそ、
1970年前後のように、待っていたら、誰かが結婚相手を連れてきてくれる時代は終焉を迎えてしまったようです。
本人の意思とは関係なく結婚がやってきた時代から、
本人の意思がなければ結婚できない時代へと社会は変化してきています。
だからこそ、当たり前のように社会の中にお節介として溶け込んでいた「結婚支援」は、
「婚活」として自主的にアクションを起こさなければいけない時代がやってきたようです。
結婚の自由が尊重される時代だからこそ、
結婚したい人が努力しなければいけない時代がやってきたようです。
そして、「婚活」という突如現れた言葉によって違和感を感じる人もいるかもしれませんが、
実は、今「婚活」と呼ばれているものは、以前からあったものなのです。
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