婚活と妊活
- 婚活先生
- 2018年1月20日
- 読了時間: 5分

不自然な子ども?
僕たち夫婦は「婚活」は経験していませんが、
「妊活」は経験しました。
子どもは欲しかったので、
「不妊治療」することにしたわけです。
妊活中にいろいろなことを考えました。
・妊活してまで子どもを授かるべきかどうか
・自然妊娠しないのであれば、それも運命なのではないか
・妊活という人為的な行為によって生まれてくる生命は不自然ではないのか
将来のことや、
人為的な操作をよって生まれてくる子どもを授かることが良いことなのか、
また、自然な妊娠によって生まれてこない生命は不自然ではないのか、
そして、その意図的な生命の誕生に対する責任、
本来なら生まれてこないだろう生命を、医学という技術で意図的に生み出す責任などなど、
子どもを授かるまで、夫婦でいろんなことを考えました。
不妊治療にもいろいろあります。
・タイミング法
・人工授精
・体外受精
タイミング法は受精しやすい時期に性交渉するもので、
これで生まれる分にはそれほど違和感を感じないかもしれません。
タイミングだけで、夫婦2人以外の介入はないからです。
人工授精は、排卵のタイミングに合わせて、
男性の精子を女性の子宮内に注入するもので、
夫婦以外の介入が入ります。
体外受精は、その名の通り、
卵子を取り出し、体外で受精させた卵子を子宮に戻すものです。
タイミング法は、ネットで調べながらでもできる方法ですが、
人工授精や体外受精などは病院で不妊治療を受けることになります。
今で、夫婦の6組1組が不妊治療する時代と言われ、
世界保健機構(WHO)によれば、
不妊の原因は男女ともに同程度と言われています。
まずは、女性の不妊原因を診断することが多く、
不妊外来が婦人科に併設していることが多く、
「不妊=女性が原因」というイメージが強いかもしれませんが、
女性だけの問題ではなく、
夫婦ともに考える必要のあることなのです。
原因があったとしても、
不妊治療することで、妊娠率をあげるわけですから、
まず、原因を知ることはとても重要です。
僕たち夫婦が不妊治療をはじめた頃は、
「健全な夫婦生活を送っていて、3年」が不妊症の目安でしたが、
今は「健全な夫婦生活を送っていて、1年以上」で不妊症と呼ばれるようです。
不妊症は夫婦どちらかが考える問題ではなく、
夫婦ともに考える課題なのです。
さて、不妊治療の末に、
幸いなことに、3人の子どもたちを授かりました。
不妊治療という医学が発展しなかった時代から考えれば、
不自然な妊娠かもしれませんし、
不自然な妊娠から生まれる、不自然な生命だったかもしれません。
しかしながら、
胸を張って言えることは、
うちの子どもたちは、「不自然な子ども」ではなく、
不妊治療に出会い、生まれてきた「ごくごく自然な子ども」なのです。
不妊治療を受けることは、今ではごくごく自然なことの一つだと考えています。
自然なのか、不自然なのかは時代や、その人の価値観で決まります。
妊活や婚活は、まだ「不自然」と感じる人もいるでしょうが、
今は、妊活や婚活というものがあるので、
それを受け入れることができれば、
それは「不自然」なものから、「自然」なものと考えることができるのではないでしょうか。
要するに、心の持ちよう、考え方次第のように思います。
さて、妊活の話を長々としてきましたが、
まだまだ「婚活」に違和感を感じている人も多いように思います。
「結婚」について、
【なんとなくいい感じになった人と結婚すればよい。
もし、そういう人と出会わなければ、結婚する運命ではなかった。
だから、「婚活」してまで結婚するのは不自然だ】というイメージが、
まだまだあるように感じます。
もちろん、その考えを否定するつもりもありません。
「妊活」も同様に、自然妊娠、もしくはタイミング法で授からなければ、
それは運命だと考えるのも悪いことではないと思います。
だからこそ、
自分が許せない範囲で誰かが介入する出会いを不自然な出会いとするならば、
そこまでして「結婚する必要はない」と考える価値観もあってよいと思います。
その結果、結婚することもなく、子どもを授かることも受け入れるのであれば、
それは、その人の納得と覚悟の範疇だと思っています。
その上で、
「結婚したい」「子どもが欲しい」という思いがあり、
運命は自分で切り開くものだと考えるのであれば、
使えるものはなんでも使うべきだと思うのです。
そして、それは、不自然なことではないと思うのです。
妊活で生まれた子どもを不自然な生命だという人もいるかもしれませんが、
僕からすれば、不自然な生命ではないと思っています。
なので、婚活での結婚が不自然な結婚とは思いません。
単純にどこに線を引くかは自分次第とも言えます。
子どもが欲しくても、
パートナーの了解がなかなか得られずに困っている人もいなくはありません。
これは、僕たち夫婦の見解ではありますが、
妊活で、一昔前であればなかった方法で妊娠した生命だからこそ、
自分たちのエゴとも言える形で生まれてきた生命だからこそ、
大切にしようとも思えるようにも感じます。
なんとなく、できた子どもと、
覚悟して授かった子どもに対する愛情に違いはないと信じたいですが、
子どもが生まれるまでに考えることはたくさんあったので、
「妊活」を通して授かった子どもで良かったこともあると今でも思えます。
もし、婚活が不自然な出会いというのであれば、
妊活で授かった生命は不自然なのでしょうか。
それとこれとは別と言ってしまえばそれまでです。
だからこそ、自然か不自然かの線引きは個々に委ねられるのです。
もし、婚活に「不自然さ」を感じて、婚活を踏みとどまっているのであれば、
それは、よい機会を言い訳によって逃しているのかもしれます。
婚活はずっとずっと昔からあったのです。
そして、その婚活から生まれた夫婦がいて、
その夫婦から生まれた大切な生命もあるのです。
Comments