婚活にまつわる統計学上のタイムリミット
- 婚活先生
- 2019年3月14日
- 読了時間: 5分

統計学というのはあくまでも集団の傾向を示すもので、
個体差があるので、あまり鵜呑みにしなくて良いものですが、
少し専門的な言葉で言えば、平均値や中央値などでいえば、
それ以上の人もいる反面で、それ以下の人もいます。
例えば、平均寿命という考え方がありますが、
平均寿命と同じくらい生きる人もいれば、
その前になくなる人もいるし、ずっと長生きすることもあって当然なのです。
しかし、人は目安を欲しがるので、
統計学的に傾向を調査するのです。
さて、調査・分析するために統計学は有効手段です。
なので、国民のさまざまな傾向を統計学で調べています。
例えば、「未婚率」というのを聞いたことがあるでしょうか?
各年齢ごとに、一度も結婚したことのない人の割合です。
そして、「生涯未婚率」という言葉もあります。
生涯未婚率なので、人生の中で一度も結婚したことがない人だと思うかもしれませんが、
この割合は亡くなった人を調査した結果ではありません。
生涯未婚率は50歳の時点での未婚率のことを指します。
国勢調査上では、50歳を超えると初婚での結婚はほぼないだろうと判断されるのです。
もちろん、冒頭に説明したように、この限りではなく、
50歳を超えてから結婚する人もいますが、
統計上の1つの区切りとして50歳とされているのです。
ちなみに、
婚活もーるでは50歳以上の方の成婚実績もありますから、
統計上の定義で不安になる必要はありません。
特に、沖縄では50歳以上の独身者が少ないわけではないので、
結婚したいと思えばいつでも結婚できるわけですが、
やはり、50歳を超えての初婚は難しいと考えられているのでしょう。
しかし、人生100年時代を迎えると言われている今、
50歳でようやく折り返し地点ですから、
望みを捨てる必要はないといえるでしょう。
妊娠・出産にまつわる統計上の判断はどんなものでしょうか。
まずは「出生率」の算出方法から考えてみます。
出生率と呼ばれる場合、一般的に合計特殊出生率のことを指します。
この合計特殊出生率は、
「15歳から49歳までの年齢別出生率を合計したものをいい、1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表す」ものです。
出生率に関しては、15歳から49歳までの女性が対象となっています。
統計学上で出産できるとされる年齢は15歳から49歳までと判断されているのです。
ギネスに記録されている出産の最高年齢は66歳のスペイン人女性で、
日本では60歳の女性の出産の記録があるようです。
また、初産婦としては野田聖子衆議院議員は50歳で出産されていますし、
ジャネット・ジャクソンさんも50歳で出産されています。
女性の閉経の平均が45〜55歳だと言われているそうで、
閉経がはっきりするまでは、可能性は低いかもしれませんが、
可能性はないとも言えません。
しかし、高齢での妊娠・出産には母子ともにリスクがあることは頭の片隅に置いておきたいところです。
さて、野田さんは不妊治療を公表していますし、
ジャネットさんも不妊治療をしていたのではないかと言われています。
不妊治療の補助に対して年齢制限はどうなっているのでしょうか?
初めて助成を受ける際の治療開始時の年齢としては、
43歳以上で助成が受けられなくなってしまいます。
42歳まで女性は受けられますが、
40歳未満と42歳以上では助成回数に違いがあり、
43歳までとしています。
助成制度から考えると、43歳を超えると可能性がかなり低くなるという判断と捉えて良いでしょう。
可能性が低くなるので、もし、出産を望むのであれば助成なしでということになります。
どこかで線引きをしないといけないので仕方ないのかもしれませんが、
50歳での初産婦もいるにも関わらず、43歳で助成が打ち切られるのは残念なことです。
さらに残念なこととしては、妊娠・出産に関わるタイムリミットが女性基準であることも、
子どもを授かりたい女性を悩ませたり、
男性の不妊はないとか、少ないという誤解を招いてしまいそうなことです。
世界保健機構(WHO)の発表によれば、
不妊症の原因が女性では41%、男性が24%、男女ともが24%なので、
4組に1組は男性に原因が、また4組に1組は男女ともに原因があることになります。
女性に原因があるとするものが半数弱あるわけですが、
男性も無関心でいられる内容ではないのです。
最後に、高齢出産についての年齢を少し見てみましょう。
日本産婦人科学会では、35歳以上の初産婦と定義されています。
以前は30歳以上とされていたようですが、
30歳以上の初産婦が増えたことで、
35歳以上の初産婦と再定義されたようです。
35歳を過ぎると妊娠・出産が難しくなり、
妊娠・出産にリスクがあることは、パートナーである男性も知っておきたいところです。
とはいえ、不妊治療の助成金が43歳を年齢制限にしていることから、
リスクがあることには配慮が必要ですが、期待を持ちたいようにも思います。
男性の精子の能力も35歳から弱まると言われています。
若い女性だけを狙って、自分の年齢に目をつぶるのは少し失礼な話なのかもしれません。
男性も女性も子どもが欲しいと思って婚活している人は多いでしょう。
しかし、年齢も問題ない、妊娠する可能性もあるとしても、
不妊治療を行っている1割ほどは、不妊の原因が分からないものもあります。
どんなに年齢が若くても、必ずしも子どもを授かれるとは限らないことも、
やはり頭の片隅に置いて、子どもを授からなくても一緒に添い遂げられる人を探したいものです。
今回、タイムリミットと称して、紹介したのは、
ある程度の覚悟を持ってもらうためです。
そして、希望を持ってもらうものでもあります。
必ず授かるわけではないことは、年齢関係なしに気にしておいて欲しいのです。
そして、結婚は自分だけで人生を歩むものではありません。
相手ともに人生を歩んでいくものだと思っています。
子どもを授かっても、授からなくても、
子どもは巣立ち、最終的には夫婦2人になるかもしれないのです。
子どもを願って婚活をすることは決して悪いことではありません。
その気持ちはとても大切にして欲しいと思います。
しかし、そこだけに前のめりになってしまって、
結婚という人生の大きな選択を謝らないで欲しいなと思うばかりなのです。
これから、婚活をはじめる人には、
子どもを授かるタイムリミットのようなものを理解した上で、
残されただろう時間をどう活用するか考えて欲しいと思います。
結婚すれば、すぐに妊娠するわけではなく、
妊娠したら必ず出産できるわけでもありません。
また、出産するにも40週かかるのです。
子どもを授かるためには少なからず、妊娠してからの1年を計算に入れておく必要があるのです。
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