第15回出生動向基本調査を読み解く
- 婚活先生
- 2019年3月25日
- 読了時間: 3分

2015年に行われた第15回出生動向基本調査の中で、
18〜34歳の未婚者に対して、
「いずれ結婚するつもり」「一生結婚するつもりはない」「不詳」の3択で回答するものがあって、
男性の85・7%、女性の89・3%が「いずれ結婚するつもり」を選んでいる。
主体的に活動してなのか、なんらかのチャンスに恵まれればなのか分からないにしろ、
この回答をした人はそれほど結婚には否定的ではないと言って良いだろうと思う。
1987年からの推移も乗っているのだけれど、
「いずれ結婚するつもりはない」の回答が、
男性は徐々に減少しているのだけれど、
女性はほぼ横ばいというのもなんだか気になるところだが、
どちらも85%以上なので、比較的高めなのかなと思う。
「一生結婚するつもりはない」と回答している結果を見ると、
男性で12・0%、女性で8・0%になっていて、
1987年の調査結果と比較すると、
男性は7・5ポイント、女性で3・4ポイント上昇している。
お互いに上昇していて、
結婚しないという選択を選ぶ人が増えてきたんだろうと思うが、
男性が女性の倍以上の勢いで上昇していることを考えると、
独身を謳歌したい男性が多くなっているのか、
結婚になんらかの束縛のようなものを感じるのか、
理由はさまざまなんだろうけれど、
結婚に否定的な男性が増えている、
もしくは、結婚しないことにメリット感じる男性が増えたのかもしれない。
この調査では、結婚のメリットは何かも最大2つまで選べる形式で質問している、
質問項目の中で最も多かった回答は、
男女ともに「子どもや家族をもてる」となっている。
続いて、「精神的安らぎの場が得られる」「親や周囲の期待に応えられる」が同様に続くが、
男性と女性で順位が変わるのが、
4番目からで、
男性は「愛情を感じている人と暮らせる」、女性は「経済的に余裕が持てる」となっている。
男女共同参画社会といえど、やはり男女間の経済格差や、
結婚における男性の経済的役割は大きいのかもしれない。
5番目で男女逆転するので、広く見れば男女差はないのかもしれない。
気になるのはほぼ割合的には少ないけれど、
「生活上便利になる」という項目で、
女性はそれほど便利になるとは思えないようだ。
しかし、推移で見れば、女性は徐々に増加し、
逆に男性は徐々に減少していることを考えると、
男性の家事・育児の参加が想像できるようになり始めたのだろうかと思う。
この結果を見て、意外だなと思ったのは、
「愛情を感じている人と暮らせる」と回答した割合は、
男性は13・3%で4番目、女性は14・0%で5番目となっている。
2つまで選べる中で、「子どもや家族をもてる」「精神的な安らぎの場が得られる」と、
18〜34歳の未婚者に聞いているにも関わらず、
「愛情」の優先順位は案外低めなことに驚かされた。
1987年の段階でも女性では3番手で、
男性は5番手になっていて、
当時は「愛情」よりも「社会的信用や対等な関係を得る」が結婚のメリットと考える男性が多かったようだ。
といっても、
誰の子どもでも誰と家族になっていいと思っているわけではないだろうから、
愛情まで行かなくても「好み」というのはきっとあるはずだろう。
しかし、「愛情を感じている人と暮らせる」という選択が優先順位の3番手以降だった人が多いので、
この結果に反映されていないのだろう。
選択が3つ4つになれば、また結果は随分と変わってきたかもしれない。
結婚に精神的な安らぎを求める人が多いと考えれば、
気持ちを話を聞いてくれる人が婚活市場ではモテるのかもしれない。
もちろん、すべての人がそのように考えているわけではないし、
この調査のすべての項目を選びたかった人もいるだろうし、
選びたい項目がなかった人もいるだろう。
しかしながら、結婚して子どもや家族をもつことや、家庭が安らぎの場になることを、
結婚のメリットと考えている人は多いようだ。
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